株式会社 宮古島の雪塩(宮古島市平良)は4日、宮古島市荷川取において、沖縄県内最大級となる菓子工場の新築工事の地鎮祭を盛大に執り行った。2027年の稼働開始を目指すこの新施設は、同社と寿製菓株式会社(鳥取県米子市)が設立した合弁会社、株式会社ケーエムエフ(KMF)が運営を担い、宮古島の産業振興における新たな中核拠点としての役割が期待されている。
物づくりの復権と観光連携へ(宮古島の雪塩・西里社長)
株式会社宮古島の雪塩の西里社長は、創業30年という節目のプロジェクトであることに触れ、新工場建設の意義を強調した。西里社長は、近年宮古島の観光が大きな盛り上がりを見せている一方で、「この島の産業、特にものづくりと観光の賑わいがあまりにもかけ離れてる」という現状認識を示した上でこのギャップを埋めるべく、新工場は「盛り上がるこの観光とそれから地域の物づくりを結びつけるその一番大きなプロジェクト」として位置づけ「宮古島の観光及び地域のものづくりにおいて、代表的な工場として、この地の振興を引っ張っていくような、そういう存在になれるよう」に企業を挙げて邁進する決意を述べた。
地域経済を牽引する中核拠点に(宮古島市・嘉数市長)
これに対し、宮古島市の嘉数登市長は、宮古島の美しい海から生まれた雪塩が、調味料にとどまらず、加工品やスイーツ、コスメといった多岐にわたるジャンルで展開され、今や本市を代表する特産品の一つとして広く知られていると評価した上で、西里社長が抱く「観光が伸びている反面、ものづくりがなかなか芽が出せていない」という課題認識に共感を示し、新工場について「新たな雇用の創出や地域での活性化、観光の推進といった面においても大きな効果が期待されている」と、その経済波及効果に言及した。さらに、新工場が地域で採れた農産物を積極的に活用し、農業との連携強化が期待される点や、地域の魅力を発信する施設として「本市の中核を担う新たな拠点となっていただくことを確信している」と述べ、株式会社宮古島の雪塩が地域経済を牽引するリーディングカンパニーとして更なる発展を遂げることを期待した。
施設概要と今後の予定
新工場は、雪塩を活用したオリジナル菓子の製造を中心に、OEM受託生産も行う予定であり、観光客向けの見学施設や体験型コンテンツを備えたファクトリーショップが併設される。延べ床面積は約3,485㎡、敷地面積は約8,830㎡におよび、沖縄県内最大級の菓子製造施設となる。2026年1月に工事着工、2027年2月に建物完成、2027年中に稼働開始が予定されている。
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